無断転載の対処法について、筆者自身の経験を基にした所感を以下に述べておく。
過去に、筆者が運営する複数のサイトの記事を無断転載していたブロガーに対し、ブログ運営各社に通報し、削除を一斉に要請したことがある。その際の経緯を簡単に書き留めておきたいと思う。
まず、無断転載を調べるためには、基本的には自分で検索エンジンを使ってひとつひとつ調べるしかない。善意で他人が教えてくれることはほとんど無いだろう。どんなに大手で信者が多くても、第三者からの情報提供を期待するのは非現実的だ。筆者も例外ではなく、普段は「あなたのコンテンツが無断転載されていますよ」というメールが来ることはまずない。
だが、ここに例外がある。筆者の場合は、同じく著作権侵害の被害を受けている他のサイトと連携し、情報を共有しながら共同で対策を講じることもある。パクリサイトはだいたい、複数のサイトから記事を無断で転載している。そのため、筆者は地道に検索して、転載された元の記事を見つけ、運営者や企業に対して「御社の記事が無断転載されています」と一斉にメールを送る。
これを続けていると、他の被害サイトの運営者たちも同じようにサーバー運営会社に権利侵害を申し立て、パクリサイトのトップページが404エラーになることが少なくない。特に、弁護士事務所などの法律関連サイトの記事をパクっているパクリサイトに対しては、通報後一時間ほどで削除されることもあった。
被害者の人数が多ければ多いほど、対処する力が強くなるのは確かだ。つまり、単独で対処するよりも、他の被害者と連携して共同で対応するほうが、効果的だということだ。この『共同対処』は無断転載に対して非常に有効な手段となる。
ただし、無断転載に対処する過程で、時に『チクリ行為』に対して、「何の得にもならないボランティアご苦労様です」と露骨に蔑む個人サイトの運営者も少なくない。しかし、この見方は間違いだ。無断転載に対処することは、最終的には筆者自身の利益のために行っていることだ。自分のコンテンツが無断で使われることに対して反応し、正当な権利を守ることは、決して無駄なことではない。
Contents
自身のサイトのテキストがコピペされていないかを調べる手法は?
コピペ被害に遭いやすい部分として、特に記事の最初の導入部分と、最後の要旨をまとめた部分が挙げられる。コピペ犯たちは、情報の表面的な部分をかすめ取るため、最初と最後の段落が狙われやすい傾向があるようだ。
さて、どのように自サイトのテキストがコピペされているかを調べるかについて、一つの方法を紹介したい。
1. WordPressならコピー通知プラグインを導入
まずは、コピー通知プラグインを導入することを検討しよう。このプラグインは、サイト内のテキストが右クリックでコピーされた時に、自分のメールアドレスに通知を送信してくれる。ただし、注意点として、このプラグインは「自サイト内でコピーされた部分」に関して通知するだけで、どこに「ペースト」されたかを追跡することはできない。さすがにそこまでできたら恐ろしい。
それでも、通知を受け取ったら、その後数日から1週間程度待ち、Googleなどの検索エンジンに反映されることを見越して、そのコピーされたテキストを検索してみる。もし転載されていれば、比較的簡単に発見できるだろう。ただし、Googleは最近、パクリサイトをできるだけ上位に表示しないようなアルゴリズムを採用しているものの、状況によっては依然として上位にランクインすることもある。
2. 右クリック禁止
また、当サイトではそもそも右クリックを禁止している。しかし、JSを無効にすれば意味がなくなるし、iPhoneなどではコピーができてしまうこともある。右クリック禁止に対する意見は分かれるが、確実にパクリを防げるわけではないにせよ、一定の効果があるとされている。
右クリック禁止を実装しているサイトに対する批判もあるが、そもそも、パクリ犯が利便性の低下を苦情として言うべきではないだろう。正当な運営者に対して「不便だ」と言うのは筋が違うという意見が根強い。
アクセス解析を導入しよう
無断転載を発見するための重要なステップとして、アクセス解析の導入がある。商用サイトでも非商用サイトでも、サイト運営者にとってアクセス解析の設置は基本的な作業であり、運営上欠かせないものだ。解析ツールを使うことで、どの検索キーワードや文章が訪問を引き寄せているのかを追跡することができ、特定のキーワードで自分のサイトに訪問したユーザーの経路を調べることが可能だ。
特に、検索結果を見ていくと、自分のサイトに加えて、無断転載されたサイトも発見することができる。これによって、無断転載の有無を簡単に確認することができるわけだ。
その瞬間、無断転載を発見した時の気持ちが一体どう表現したらいいのか、筆者自身もわからない。無断転載に対する怒りはもちろんだが、同時に、自分の文章が他人に丸パクリされるほど優れたものであったのか、という妙な満足感が湧いてくるのも事実だ。だが、その感情に浸っている暇はない。
無断転載が発覚したら、速やかに対処することが重要だ。オリジナルのコンテンツがどんどんコピーされていけば、後から”正当性を主張”しようとしても、どんどん弱くなってしまう。早期に対策を講じることで、コピーされた内容に対してしっかりと権利を守り、オリジナルのコンテンツを適切に保護することができる。
3. Googleアルゴリズムの影響
ちなみに、2019年3月に行われたGoogle検索アルゴリズムのコアアップデート(いわゆるフロリダアップデート)によって、法人運営のキュレーションサイトが再び上位表示される傾向が強くなってきた。このアップデートは、権威主義とも呼ばれ、ドメインパワーの強いサイトが優遇されるという意図がある。
しかし、これはサイト運営者にとっては避けられない現実で、対策を講じるのは難しい。
SEOに強いブロガーも最近では、「企業には勝てない」と嘆いている者が増えている。この現象に対し、良い記事を書き続けることが唯一の対策だとも言われているが、それでもGoogleのアルゴリズム変更にはどうしても影響を受けることになるし、Googleが企業を優遇していることに変わりはない。
結論
無断転載を完全に防ぐことは難しいが、通知システムや右クリック禁止など、いくつかの対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができる。また、Googleのアルゴリズムの影響を受けながらも、質の高いコンテンツを作り続けることが最も重要であり、最終的にはこの努力が報われることを信じて取り組むことが必要だ。
パクリブログのさまざまな言い訳に唖然
無断転載をされたブログやサイトの運営者に削除要請を行った際、その返答が驚くべきものであったことが少なくなかった。パクリを正当化するための言い訳が、実に多彩で、時には唖然とさせられるものもあった。以下はその一部だ。
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「転載されるのが嫌なら書かなけりゃいいじゃないですか」
まさかの逆ギレ。ブログを書く権利を持っているのは自分だけだと思い込んでいるのだろうか。 -
「私は紹介させていただいてるだけなのに」
紹介ならば許されるのか?それなら全ての盗用を紹介と言い換えれば問題ないのかという話になる。なお、引用元として当方のサイトURLはない。 -
「転載されるのが困るという事は書き込みがウソだからですよね」
論点が完全にずれている。自身の行為に正当性を持たせるために、他者を批判して逃げる。 -
「私は著作権という法律を知らなかったのだ」
それは完全に言い訳。知らなかったでは済まされない事実。著作権を無視した行為に対して、無知を盾にするのは通用しない。 -
「あなたも転載してるじゃないですか」 ← 俺は引用だ間抜け!
典型的な責任転嫁。引用と無断転載は全く異なる。明確にルールに則っていれば問題ないのだが、それを理解していないのだろう。
さらに、これらの言い訳をした管理者の一人は、削除要求に応じた直後、自サイトに「無断転載を禁止します。発見した場合は法的対処いたします」と追記していた。その姿勢に驚き、思わず腰を抜かしてしまった。自らが行っていた行為を棚に上げ、なんとも皮肉だ。
DMCAの申し立てを行い、グーグルの検索結果から無断転載ブログを駆除するべきか?
無断転載されたサイトに対して、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく申し立てを行うことは一応効果がある。Googleの検索結果から無断転載サイトを削除することができるためだ。
しかし、結論として、サイトの無断転載に対してDMCAに基づく申し立てを行った場合、問題が一つある。それは、申し立てを行った人の実名がウェブ上に公開されてしまう点だ。
どういうことか、説明しよう。
無断転載ブログをGoogleの検索結果から削除してもらうためには、著作権侵害サイトに対して通知を行う際、権利者の氏名または会社名を記入する必要がある。匿名では申し立てできない。さらに、申し立ての内容は誰でも閲覧できるようになっている。
本人確認書類の提出は不要で、偽名を使う人もいるかもしれないが、その場合、虚偽の申し立てとなり、相手に反訴されると裁判で不利になる可能性がある。
名前を公にして商売をしているフリーランスや、企業運営のサイトであれば問題は少ないだろう。しかし、この個人名が公開されることについて説明せずに、「パクられたらDMCAを使おう!」と書いているブログも見かけるが、そのリスクについて理解しているのだろうか。
このように、著作権侵害サイトに対する通知を行い、検索結果から削除してもらう行為には、実名が公開されるリスクがあるため、慎重に考えるべきだ。
もちろん、実名をネット上に公開することに問題がないのであれば、試してみる価値はある。
余談だが、世の中には「えちえちマンガ」を制作している人たちがいて、彼らは自分の作品を無断でアップロードしている「著作権侵害サイト」と戦っている。えちえちマンガ作家も普通の漫画家も同様に戦っている。著作権者が自分の権利を守るために。
ただし、えちえち作家の場合、実名で活動していることは少なく、侵害通知を出すことで本名が公開されることになり、その結果、ある人気のえちえち作家の実名がバレるという凄惨な事態も発生した。
無断転載の対処はブログユーザーより運営会社に削除依頼するのが効果的
無断転載を発見した場合には、まずブログ運営者本人ではなく、そのブログを提供している運営会社に直接削除依頼をするのが効果的である。
具体的には、「貴社が提供するブログにおいて、当サイト内の文章が無断転載されており、当方の著作権を著しく侵害しています。よって、速やかに当該記事の削除をお願いいたします」という趣旨の通知を送ることになる。この通知は、著作権侵害に関する正式な申し立て、いわゆる「権利侵害通知」として扱われる。
運営会社に通知が届いた場合、一般的にはサーバー運営会社が対象となるブログユーザーに問い合わせを行う。その際、プロバイダ責任制限法に基づき、運営会社はユーザーに対して7日間の照会期間を設ける。この期間中にユーザーから反論や対応がなければ、運営会社は当該ページを削除しても問題ないとされている。
筆者の体験では、ほとんどの大手ブログ運営会社が非常に紳士的に対応してくれた。もっとも、誰が見ても一目瞭然な、あまりにもひどい無断転載だったことも理由の一つだと思われる。
ここで、実際に無断転載の削除要請を行った大手ブログサービスは以下の3社である。
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gooブログ
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FC2ブログ
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楽天ブログ
これらのブログサービスに対し、それぞれ無断転載に関する削除要請を行った結果を述べる。
まず、gooブログである。ここは非常に対応が迅速かつ適切であった。通報後、事務局が対象ブログユーザーに警告を行い、そのユーザーは削除を拒否したが、7日間の照会期間終了後、goo側がきちんと削除対応を行った。実にスムーズな解決であった。
次に、楽天ブログである。ここは削除要請を送ったところ、以下のような文面の返信が届いた。
「高度な法的判断が必要で当社では著作権侵害を判断できないので、貴方様が直接コメントなどで削除を要請してほしい。当該ブログユーザーが応じなければ当社が警告文を送ることは可能」
楽天ブログからは、削除要請に対する返信があった。指示に従い、筆者はまず対象ブログに対して直接削除要請を行い、一週間の期間を設けて対応を待った。しかし、相手側ブログはこれを完全に無視した。
そこで筆者は楽天ブログ運営事務局に対し、「削除要請に応じないため、御社による対応を求めます」と再度連絡を行った。これに対し、楽天側からは「承知しました。当社から警告文を送付します。一週間ほど様子を見て改善が見られなければ、削除を含めた対応を検討しますので、改めてご連絡ください」との返答があった。
ところが一週間後、当該ブログから筆者に対して反論が寄せられた。その内容は、筆者がまったく行っていない○人予告を持ち出すなど、意味不明な主張が延々と続き、最終的に「削除には応じられません」と開き直るものであった。筆者はこのやりとりの経緯を整理して、再び楽天ブログ運営事務局に報告した。すると二日後には、当該ブログは全ページが削除される結果となった。
次に、FC2ブログである。こちらも楽天ブログとほぼ同様の流れで対応が進んだため、特に記載すべき問題はない。削除要請を行い、一定の期間を経て、対象記事は削除された。
以上の経緯から、gooブログ、楽天ブログ、FC2ブログの三社については、いずれも紳士的かつ適正な対応をしていただいた。無断転載対策として、これらのブログサービス提供会社に正式な手続きを踏んで通知を行えば、一定の成果が得られることが確認できたのである。
しかし、このブログ運営会社はひでえぞ……
そして、上記三社のほかに、実はもう一社ある。アメーバブログを運営する株式会社サイバーエージェントである。
ここでの対応は、言葉では言い表せないほどひどいものであった。
同社には一応「権利者用の報告フォーム」が用意されていたため、筆者もこれを通じて削除申請を行った。すると、サイバーエージェントから送られてきた返信は、「権利侵害行為に起因する削除申請につきましては、プロバイダ責任制限法に基づく対応を行わせていただいております」という定型文に過ぎないものであり、続いて以下の手続きが指示された。
すなわち、権利侵害の内容を所定の用紙に記載し、さらに本人確認として運転免許証の写しと、3か月以内に発行された印鑑登録証明書を添付し、これら一式を簡易書留で株式会社サイバーエージェント宛に郵送すること。しかも、その郵送費などの必要経費は申請者の自己負担とされたのである。
やむなく、筆者は指示に従い、必要書類を整え、郵送した。なお、今回の4社の中で、無断転載被害の申請手続きにあたり、金銭的な負担を課してきたのはサイバーエージェントただ一社であった。
だが、これで終わりではなかった。
送付から約一週間後、メールではなく、なんと一通の手紙が郵送で届いた。その中に記載されていた内容は驚くべきものであった。
「あなたのサイトがあなたの所有するコンテンツであるか判断できないため、当該ブログを削除いたしません。」
筆者はこれを読んだ瞬間、文字通り椅子から転げ落ちそうになった。
なぜなら、申請時に自サイトのアドレスを明示したうえで、どの箇所が無断転載なのか、具体的かつ詳細に説明を行っていたからである。
あまりにも不可解であったため、筆者はサイバーエージェントに対して「私のサイトが私の所有物であることを御社に示すには、具体的にどのような資料を提出すればよいのか」と問い合わせた。しかし、これに対する回答は一切寄せられなかった。
結局、印鑑登録証明書の強制提出は何だったのかという疑問だけが残った。
その後、弁護士への相談も検討し、事務所選びを進めていた数か月後、なぜか当該パクリブログはひっそりと削除されていた。これにより事態は一応の決着を見たが、サイバーエージェントの対応については、最後まで納得のいかないままであった。
アメーバブログでの無断転載の恐ろしさ
もし、アメブロで何度も何度もパクリをやられたら、数百円が積み重なり何万円もの出費を強いられることになるのだろうか。
他社の例となるが、Google利用規約では「Googleの各種サービスで著作権侵害を行う常習侵害者のアカウントは削除されます」とあるが、アメーバはどうだろうか。もし違うのなら恐ろしいと思った。
「一通、450円の印鑑登録証明書や簡易書留代は大変な負担になりもう払うお金がありません。御社のブログユーザーによるルール違反行為なのですから御社が負担していただきたいです。」と、具体的に言ってみたい。いや、言うべきだ。今現在、アメブロユーザーにパクられてる方は絶対言ったほうがいい。権利者の著作権を尊重して、問い合わせにも返答するなど、良い対応になるように期待したいものだ。他の会社はできているのだから。
ただ、この言い分(いいぶん)自体はアメーバブログ以外でも、例えばツイッターの運営会社も同じようだ。下記のコメントは自分の漫画作品がツイッターでパクられて削除依頼の要請をした方のブログより引用した。
公式に通報しても、返ってきた返事は全て英語で
訳してみると「でもあなたが書いた漫画だという証拠はどこにもないじゃない」ってことでした。
結局、この「貴方が正当な著作権者かどうか弊社ではわからない」系の言い分(いいぶん)に対して、パクられた側としてはどのように対処したらいいのだろうか。
漫画であれば、その漫画の制作風景を動画にでも記録しておくのか?写真の場合は実際の撮影風景を別のカメラで記録しておくのか?文章の場合はどうなるんだ?
自サイトのトップページに「現在、○○というサイトに無断転載されており、サイバーエージェントに対し削除依頼を行っています」とでも大きく書いておけばいいのだろうかね。
無断転載をするなら当該ブログ会社!著作権侵害者を守ってくれるから!っていう当該ブログ会社の選択だけは一般化しないでほしい。右クリック禁止しなきゃ。サイトの利便性が低下する苦情はコピペ犯に言ってほしい。
弁護士サービスももっと敷居が低くなれば利用しやすいんだけどなあ。現状では赤字になる。また、弁護士にも当然専門分野があるから、著作権に詳しい弁護士を見つけるというのも、筆者が尻込みをする理由になっている。
追記1 「ネイバーまとめ」にも無断転載
後日、「ネイバーまとめ」にも無断転載されていたのを確認。ネイバーにも削除依頼を送る。ネイバーまとめといえば、ユーザー参加型のまとめサイトで、個人が好きなテーマのまとめページを作ることができるサイトだ。アクセス数に応じて、ポイントが加算され、貯まれば現金化できるという。ところが、著作権の考え方がグレーで、ほとんど全文丸写しされているページも少なくない。実際、それが原因でネイバーまとめはアドセンスの配信を停止され、ユーザーが騒いでいた。このような会社のサイトだから、削除依頼の対応もアメブロばりなんじゃないだろうかと、あまり良い返事が来ないのではないかと思ったのだが、依頼後に即、削除してくれたうえに丁寧なメールの返答もあったので、企業として充分に紳士的な対応だったことを明確に記しておく。
追記2 「A8.netのファンブログ」にも無断転載
さらにA8.netが運営している「ファンブログ」のユーザーに丸写しされているので、現在対応を依頼しているが、A8からは一週間たっても全く返事がない。そして、3回目のメールでようやく対応した。過去2回のメールでの対応依頼はことごとく無視され、相手側のブログにこちらの削除と抗議のメールを伝えてくれたのかどうかも一切不明であった。そして今回、3回目のメールにも返信は無かったものの、メールの送信直後に当該ブログを確認すると、パクられたページのみならずブログ全体が跡形もなく、削除されていた。これが当人自らによるものかはわからないが、とりあえず解決した。しかし、なぜ3回目で対応したのかは不明である。3回目のメールの内容も過去2度送ったメールと内容はほぼ同じであるが。
追記3
2016年3月。またもやアメブロに無断転載されていた。今回も同様に同社の「権利者向けフォーム」から権利侵害の通知を出す。当然、その答えは
無断転載等各種権利侵害に起因し当該投稿の削除を希望される場合、 弊社ではプロバイダ責任制限法に沿った手続きをとらせていただいております。 お手数をおかけいたしますが、以下のヘルプページをご参照いただき、 ご申請を検討いただきますようお願いいたします。
だった。だからあ、それなら最初から詳しい権利侵害の内容をフォームから記載させる理由は。で、今回は前回言った通り「印鑑登録証明の発行手数料などの費用は御社が出してくれるの?」と聞いてみた。
するとこう返ってきた。
Amebaカスタマーサービスです。 ご質問の件ですが、恐れ入りますが削除請求等は依頼者様のご希望で 行っていただくものですので、かかる費用については依頼者様にご負担 いただいております。 ご了承いただきますようお願いいたします。
しょうがないので「御社ブログに無断転載されたのはこちらの希望ではないので御社が出してくれないと困ります。もうお金がありません」という内容で返した。
すると『それでは今回は不要でかまいません』と返答が来た。なんだそれ??
無断引用という言葉
ところで、「無断引用」という言葉を使う人がたまにいて、正直、なんだそれと思うことがある。
本来、無断引用という言葉は存在しない。引用とは、日本の著作権法上、権利者の許諾を得ずに行うことが当然に認められている行為であり、一定の条件(※引用部分の明確化、主従関係の維持、出所の明示等)を満たしていれば、誰でも自由に行うことができる。
許可を得ずに行うことが許された行為に、あえて「無断」という修飾語をつける必要はない。
やってはならないのは「無断転載」であり、これは引用ではなく、著作物を勝手にコピーし、自らのコンテンツの一部かのように使ってしまう行為を指す。
それにもかかわらず、『無断引用』などという言葉を用いる人がいる。これには、正当な引用を行いたい人たちを不当に委縮させる意図があるのか、それとも単なる無知から来るものなのか、判断に悩むところである。
この「無断引用」という奇妙な言葉を実際に使用している例として、以下の記事を紹介する。
実は、引用される側も対抗策を打ち出している。ある週刊誌のサイトでは、無断使用されそうな画像には、著作権表記と無断使用禁止の表示を入れ始めた。公にはなっていないが、ニュースコンテンツの運営元から無断引用するサイトへの抗議も行なわれ、その結果、対象記事の削除やサイト自体の閉鎖もあったほどだ。掲載記事をニュースアプリに配信していたキュレーションメディアが、画像の無断引用を理由に契約を終了されたという話も聞いている。
引用元 ascii.jp『バイラル・キュレーションメディアの勝手な無断転載はどうして止まらないのか?』
『バイラル・キュレーションメディアの勝手な無断転載はどうして止まらないのか?』と題された上記の記事は、表題のとおり、無断転載を繰り返すバイラル・メディアに対する厳しい批判を主旨としている。
記事中では、ライター自身が撮影した写真がバイラルメディアに盗用された体験が紹介されており、著作権侵害に対する憤りと強い姿勢がにじみ出ている。
筆者も、バイラルメディアの著作権意識の低さに対するこのライターの怒りには大きく共感する。一方で、同ライターには著作権法についての認識不足が見受けられるのではないか、と感じた。
その違和感を抱かせる要素の一つが、記事中で「無断転載」「無断引用」「無断使用」といった表現が頻繁に混在して用いられている点である。用語の使い方に一貫性がなく、読者に混乱を招きかねない。
とくに疑問を抱いたのは「無断引用」という表現だ。
「無断転載」はもちろん違法行為だが、「無断引用」は著作権法上、正当な引用に該当すれば許可なしに行うことが認められている。引用は、権利者の同意を得ずとも行うことができる行為であり、それが法的に保障された制度なのである。にもかかわらず、あえて「無断引用」などという不可解な造語を用いて、無断転載と引用とを同列に語るのは適切とは言えない。
また、ライターは記事中で「問題となっているのは、引用の仕方だ」と述べている。しかし、バイラルメディアの問題は「引用の仕方」にあるのではない。そもそも彼らが行っているのは、引用ですらなく、無断転載にほかならない。
バイラルメディアは、他者の画像を丸ごと勝手に持ち出し、自らのコンテンツの「飾り」として貼り付ける。そこには、画像に対する批評も、研究目的も、真正な言及も存在しない。にもかかわらず「引用である」と言い張るのは、著作権法上の「引用」の要件を完全に無視している。
したがって、ライターにはここで「それは引用ではなく無断転載だ」と、より明確に指摘してほしかったと感じる。
ちなみに、筆者が本稿で先述の記事から引用を行うにあたって、アスキー社や該当ライターに許諾を求めていないことは明言しておきたい。これは「無断引用」の状態にあるが、繰り返し述べるように、正当な引用であれば著作権者の許諾は不要であり、これ自体は法的に認められている行為である。
以上のことから、無断引用などという曖昧で誤解を招く言葉は、今後使用すべきではないと考える次第である。
ウェブ上でも無断引用という言葉には批判的な意見が実に多いので、”無断引用”でググって1ページ目に出てきたサイトをいくつか紹介する。見事に『無断引用』という言葉に対して否定的なサイトばかりだ。
「無断引用」という表現はやめよう|Colorless Green Ideas様
ついでに「引用禁止」と但し書きをする変な人もいるので言いたい。著作権法で認められている引用という行為は、個人が但し書きをつけたところで禁止できないと解されている。※解されているというより「引用の禁止を認める」などと著作権法に明記されていないのでそんな除外規定はないと言ったほうがいいか。
もちろん、第三者の著作物を引用するに当たっては引用の条件を満たしていることが絶対条件であることは言うまでもない。
ただこの『無断引用』という言葉の問題はアスキーのライターだけの問題ではなかった。大手新聞社もこのわけのわからない言葉を以前から何度も使っていると以下のブログ様で指摘がなされている。
http://hatena.fut573.com/entry/20090825/1251222893
著作権法で認められている引用は素晴らしい制度であると同時に、多くの人が利用すべきであるものと思っているなんてことは今更当方が得意げに言うことなのかよ?言わすな恥ずかしい。
今後は検索神であり、ネット警察でもあるGoogleによる著作権侵害サイトに対する締め付けはさらに強くなるだろう。引用したテキスト部分を引用タグで囲むことを怠っているサイトはますます検索の下位に追いやられるか、あるいはまったく検索結果に出現しなくなったりして。
追記 『強い女メーカー問題』
2019年、「強い女メーカーをスクショで紹介したら弁護士事務所から連絡が来た話。」と題するブログ記事がインターネット上で大きな話題となった。
この騒動の発端は、あるブログ運営者が、自身の別運営ブログにおいて「強い女メーカー」というウェブサービスをスクリーンショットおよびテキストで紹介したことにある。その後、同サービスの著作権者およびその代理人弁護士を名乗る者から、「商用利用に該当するため、50万円を支払え」との請求を受けた、という経緯が紹介された。
現在では、請求を受けた側のブログ、および請求を行った「強い女メーカー」運営者自身のブログとサービスはともに削除されており、この問題のその後の展開は不明である。当方としても、これ以上の事実確認ができない以上、これ以上の論評は差し控える。
ただ、ここで重要な点がある。
著作権法において、引用に関する規定には「商用利用の場合は引用を禁止する」といった条件は存在しない。つまり、アフィリエイトを行っているウェブサイトであっても、正当な「引用」の要件を満たしている限り、著作権者の許可なく引用が可能である。
考えてみ欲しい。あなたが読んでいる雑誌には「どこどこから引用」という一文と共に、写真などが掲載されてはいないだろうか。雑誌は商業誌、つまり営利目的に他ならない。
それを「営利だから」といって、禁じることってできると思う?
加えて、あるウェブサイトが「商用か否か」を判断する権限は、個別の弁護士事務所にはない。これは、必要に応じて最終的には裁判所が判断する事柄である。
迷惑ネットサービスに四苦八苦している……
「ボケて」というサイトがあるが、このサービスは他人の写真(さらにはアニメやドラマの画像)を勝手に使って、ボケのコメントをつけるというサイトだ。
私の写真コンテンツである「学祭のダンス写真」を誰かに勝手に使用され「北朝鮮の喜び組」と揶揄されたこともあった。著作権であれば、撮影者である筆者の権利問題だが、ボケの内容によっては被写体の方々への中傷や名誉棄損にもなりかねない問題で、そこが単なる権利侵害だけではすまない問題の複雑化の様相を見せる。
http://bokete.jp/boke/10781522
これ、アンパンマンのジャムおじさんの画像だが「そろそろ「ボケて」に対して名誉毀損で告訴だ。」という”ボケ”が書き込まれている。もちろん、やなせスタジオが使用許諾をされているのなら当方が何かを言う権利はないのだが。
やはり著作権侵害ではないのかという議論も起きているようだ。
http://www.bengo4.com/topics/1406/
こちらの弁護士のサイトでもトピックになっている。
またこちらのサイトでも同様に、権利侵害についての疑問を投げかけており「弊社は一切の責任を負いません」というボケて運営会社に対して「それはないだろう」と批判されている。
http://digimaga.net/2012/11/bokete-copyright-fail
まとめ
よそのサイトから持ってきた記事を使い、「自分が書いたかのように偽って」記事を書く行為は、自分のサイトの評価を高めない。
※追記 ただし、最近では状況が変わり、大手サイトが無断で転載した場合でも、平然と検索上位に表示されるケースが見受けられるようになった。
今後、バイラルメディアやキュレーションサイトに対しては、これまで以上に厳しい視線が向けられていくに違いない。
そして改めて強調したいのは、無断転載と引用はまったく異なるということだ。出典を明記し、批評や研究等の正当な目的に沿って引用を行えば、誰でも許諾を必要とせず、他サイトのテキストや写真を適切に利用することができる。
だからこそ、「無断引用」や「引用禁止」などという誤った、恥ずかしい言葉を使うのはもうやめよう。正しい知識に基づいて、表現の自由と著作権の調和を尊重していきたい。
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