実は私自身も、過去にパストリーゼ77を購入したことがあります。アルコール消毒薬やマスクが街から姿を消し始めた、あの頃のことです。
当時、私の手元にはまだフマキラーの「キッチン用アルコール除菌スプレー」が十分にあり、次回の楽天お買い物マラソンで、いつものようにケンコーコムか楽天24で720mlの詰め替えパックを購入すればよいと、特に焦りは感じておりませんでした。
しかしその後、新型コロナウイルスの影響は急速に広がり、社会と経済に大きな混乱をもたらしました。
深刻になってきたのは、通販サイトでのアルコール製剤の相次ぐ売り切れと、Amazonでの急激な価格高騰、メルカリでの転売です。
そんな中、偶然にも近所のケーキ屋さんで「パストリーゼ77」と出会うことになります。
たまたま立ち寄った店のカウンターに、おしゃれなかごに入れて販売されていた白いボトル――それが、私にとって初めてのパストリーゼ77との出会いでした。
価格はたしか、1,200円ほどだったと記憶しています。
Contents
消毒液にとってアルコール濃度が高いことは正義?
アルコール消毒液は濃度が高ければ高いほど効果があると思いがちです。
しかし、もっとも効果的な濃度は70から80パーセントです。
でも、それならもっと安い製品がいくらでもあるのです。
ぼくがパストリーゼをやめた理由
パストリーゼは、『菌も汚れもひと吹きで解消! 1本で家じゅうすっきり! 最強アルコールスプレー 魔法のパストリーゼ(扶桑社ムック)』という書籍が出版されるほど、愛用者の多い製品です。
まるで緑の魔女が使うかのような“魔法のパストリーゼ”。当時の社会混乱のなかで手に入れられた人には“羨望のパストリーゼ”となり、買えなかった人にはまるで“絶望のパストリーゼ”、いわゆる“ドーバーの三部作”にもなるような存在でした。
しかし、コロナ禍を経て除菌や消毒への関心が一時ほどではなくなった今の私にとっては、“終焉のエルザリード”ならぬ“終焉のパストリーゼ”のように感じています。
そもそも私にとっては、パストリーゼはややオーバースペックな“魔法”だったのかもしれません。これが今でも私がパストリーゼより濃度の低いフマキラーを使い続けている理由のひとつにもなっています。
人によっては、必ずしもパストリーゼが“正解”ではないのです。私の生活環境では、より汎用性の高い、濃度の低いアルコール除菌スプレーのほうが扱いやすく、ちょうどよいと感じています。
フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレーが最高です
私はもう長年にわたり、「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」を愛用しています。この製品はとても優れたアルコール除菌剤だと思っており、私自身の使用体験をもとに、その魅力をご紹介したいと思います。
楽天の購入履歴をさかのぼると、最も古い購入は2008年2月。つまり、私はこのスプレーを13年以上使い続けているヘビーユーザーということになります。この13年間、幸いにもウイルス性の重い病気にかかることなく過ごせてきました。
なお、この記事はあくまでも一般家庭での日常的な使用体験に基づいたものです。医療や介護など高レベルな衛生管理が求められる現場では、厚生労働省が定めたガイドラインに従い、より高濃度のアルコール製剤を使用する必要があります。
私がフマキラー キッチン用アルコール除菌スプレーを選ぶ理由
使い始めたきっかけは、クッキーやポテトチップスなど油分の多いお菓子を食べたあとの指先を、手を洗わずにさっときれいにしたいと思ったからです。油でべたついた手でマウスやキーボードを触るのは、できれば避けたいものですから。
そして何より、どこでも手に入りやすく、価格も手ごろだったのが「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」でした。
数あるアルコール除菌剤のなかでも、この製品がもっとも「安全・安心」だと感じています。その理由は、以下に挙げる点にあります。
アルコール濃度が低いから安全です
これこそが「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」のもっとも優れた点であり、さまざまな面で安全と言える理由です。一般的に、アルコール消毒液を使用する際には引火のリスクに注意する必要があります。
東京消防庁によれば、アルコール分が一定量以上含まれている消毒用アルコールは、消防法上の「危険物(第四類アルコール類)」に該当するそうです。
実際、車内で80%前後の高濃度アルコール消毒液を噴霧した直後にたばこを吸おうとして引火したという事例も報告されています。また、飲用のスピリッツなども近くでたばこを吸うと非常に危険です。
この点において、低濃度である「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」は、何よりも安全という大きなメリットを持っています。
フマキラーのアルコール濃度は?
フマキラーの公式サイトや製品パッケージでは、アルコール濃度が明記されていないようですが、大手流通サイトのアスクルでは以下のように説明されています。
エタノール57.7%(重量比50%(w/w))
つまり、フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレーの実質的な濃度は約50%ということになります。おそらくこれは、アルコール濃度が高いと「第四類アルコール類」に該当してしまい、運送・保管・販売に関して厳しい規制が課されるため、50%以下にとどめることで雑貨扱いとし、家庭向けに広く流通させるための工夫ではないかと推測されます。
結果として、この約50%という濃度は、十分な除菌効果を保ちつつ、安全性と取り扱いやすさを兼ね備えているのです。そのため、フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレーは、どこでも購入できるベストセラー商品となっているのです。
手が荒れにくいという実感があります
まず最初にお伝えしておきたいのは、「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」は手指の消毒を目的とした商品ではないという点です。製品を手指に直接スプレーする場合は、あくまでも自己責任となります。ただし、これは「人体に有害である」ということではなく、「雑貨」であるがゆえ、法律上「手指の消毒に使えます」と明記できないだけの話です。
実際、私はこのスプレーで手指の消毒を行っていますが、これまで手が荒れたことは一度もありません。これは非常にありがたいことだと感じています。
新型コロナウイルスが流行した時期、私はさまざまな高濃度アルコール製剤を試しましたが、必要以上に皮脂が奪われてしまい、手がガサガサになってしまいました。まるで、素手で強力な食器用洗剤を使い続ける主婦の苦労を垣間見たような気持ちになりました(これはよくないので重曹やセスキをお勧めします)。
私たち人間の皮膚は、皮膚常在菌が作る「皮脂膜」という天然の保湿バリアによって、健やかに保たれています。ところが、清潔を気にするあまり何度も消毒してしまうと、このバリアが破壊され、逆に免疫力が落ちてしまうのです。むやみに皮脂を取りすぎることも、手にはよくありません。
アルコールだけではない殺菌・消毒成分も含まれています
フマキラー社では、アルコールに加え、天然のグレープフルーツ種子エキスを配合しているとしています。これにより、アルコールが揮発した後でも殺菌効果が持続すると説明されています。
このグレープフルーツ種子由来の成分自体の殺菌力については、私の方では科学的な有効性を明言できませんが、少なくともアルコール以外の補助成分による副次的な除菌効果が期待できる点は、安心材料の一つです。
香りがよいのも魅力のひとつです
アルコールに抵抗のある方には恐縮ですが、実はアルコールそのものには本来、悪い香りはありません。お酒の香りが食欲をそそるというのも、よく知られている事実です。
「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」には、アルコールの香りに加えて、レモンのような柑橘系の爽やかな香りがあります。これは前述の「天然のグレープフルーツ種子成分」による副次的な効果であり、使用するたびに心地よい香りが広がります。
また、この製品には天然消臭成分として「カテキン」や「柿の葉抽出成分」も配合されています。これらはあくまで消臭目的であり、消毒や殺菌とは別の働きを担っています。とはいえ、緑茶や柿のような香りがするわけではありませんので、香りに敏感な方でも安心してお使いいただけます。
家庭用洗浄剤として、非常に使い勝手が良いです
このように、「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」は、手指の油取りや家電製品の拭き掃除、キッチンまわり、水まわりの汚れ落としなど、日常のさまざまな掃除シーンに幅広く対応できる、まさに“万能型”の家庭用洗浄剤です。
私が個人的にとても重宝している使い方の一つが、室内や車のガラス窓の内外のクリーニングです。驚くほどきれいに汚れが落ち、拭き跡もほとんど残りません。(※ただし、車のボディには使用しないでください)
「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」一本あれば、複数の洗浄剤の役割を果たしてくれるため、非常に高い“万能感”と“お得感”があります。私自身、この製品を使うようになってからは、トイレ用洗剤やガラスクリーナー、ガスレンジ専用の洗浄剤などを個別に購入する機会が大幅に減りました。
アルコール濃度の低さを嘆く必要はありません
「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」のレビューの中には、「アルコール濃度が低いから新型コロナウイルスには効果がないのでは?」という趣旨の声が見受けられます。ですが、そうしたご意見を投稿される方々には、ぜひ一度立ち止まって冷静に考えていただきたいのです。
たしかに、WHO(世界保健機関)は手指の消毒について、イソプロパノール75v/v%またはエタノール80v/v%の製剤を推奨しています。これをそのまま受け取り、「それ以下の濃度ではまったく効果がない」と誤解してしまう方もいらっしゃるようです。
実際、10%〜30%のような極端に低濃度のアルコールでは、コロナウイルスの不活化には不十分であるというのが、WHOの見解です。しかし、「50%前後」の製品がすべて無効というわけではありません。
また、NHKの番組内で一部の専門家が「キッチン用エタノールはアルコール濃度が50%程度のものが多く、現時点ではコロナウイルスへの効果が科学的に証明されていない」と発言したことが、こうした誤解や不信感に拍車をかけたものと思われます。
この発言を受けて、「フマキラー」社には多数の問い合わせや誤解に基づくクレームが寄せられたそうです。これに対してフマキラー社は、2020年3月に明確な反論と見解を公表しています。
同社の発表によれば、新型コロナウイルスと同じ構造をもつ「ネコ腸コロナウイルス」に対する不活化試験を、一般財団法人 北里環境科学センターにて実施し、有効性を確認したとしています
(詳細は公式発表:https://www.fumakilla.co.jp/new/3725/)。
このように、中程度の濃度(約50%)であっても、一定の条件下においてウイルス不活化効果が確認されているわけです。「科学的に証明されていない」という発言に対して、メーカーとして反論を行うのは当然のことといえるでしょう。
フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレーへの要望
「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」は、機能性において非常に優れた家庭用の洗浄・除菌アイテムです。手指の油取り、キッチン周り、家電、水回りなど、家庭での幅広い用途に対応しており、1本で多目的に活用できる点が大きな魅力です。
その一方で、より広く一般的に支持され、日常の暮らしに自然と溶け込む存在となるためには、ボトルデザインの刷新を検討していただけると、さらに多くのユーザーに親しまれるのではないかと思います。
たとえば、ドーバー社の「パストリーゼ77」は、シンプルかつ上品なボトルデザインで知られており、清潔感とインテリア性を両立させたデザインが高く評価されています。実際にボトル単体がフリマアプリで高値で取引されるほどの人気を誇っており、グッドデザイン賞の受賞歴もあることから、ユーザーの共感を呼ぶデザインの重要性がうかがえます。
私自身も、パストリーゼのボトルが気に入っており、使い終わったあとにそのボトルへフマキラーのアルコールを詰め替えて使っていたことがあります。
もちろん、「気に入った容器に詰め替えれば良い」という意見もありますが、最初から魅力的なデザインの専用ボトルが用意されていれば、そのような手間もなく、多くの方にとってより親しみやすい製品となるのではないでしょうか。特に女性の部屋や生活空間にも自然となじむような洗練された見た目のボトルが登場すれば、インテリアにこだわるユーザーにも支持されやすくなると思います。
まとめ
「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」は、完璧な消毒用アルコールという点では高濃度製品に一歩譲るものの、日常清掃用の多用途スプレーとしては極めて優秀な製品です。
現在では、消毒・除菌目的において「次亜塩素酸水」も国の認可のもとで使用が提案されており、さらに「アルカリ電解水」なども家庭向けの新しい選択肢として注目されています。
そうした中でも、本製品がより多くの方にとって選ばれる存在であり続けるためには、実用性だけでなく、「見た目の心地よさ」や「生活空間になじむデザイン」といった感性面への配慮も、今後ますます重要になってくると感じます。
機能とデザイン、両方がそろった「愛される除菌スプレー」として、今後の展開に期待しています。