2025年11月、Xでチョコパイへの異物混入とされる衝撃的な投稿が拡散されている。
なんと、大手お菓子メーカー・ロッテの人気商品「チョコパイ」の中から“歯のような白い異物”が見つかった、という投稿だ。
投稿は7000件を超えるリポスト、4万件以上の“いいね”がつくが、何がいいのか意味がわからない。
自分はロッテのチョコパイを積極的に買う層ではないが、チョコレートらしき茶色いものでコーティングされた歯らしきものの写真が気持ち悪いったらしゃあない。
これが本当なら、食べ物としては到底許されない話だが、2025年11月18日現在、ロッテ側は異物混入の原因は特定できないとしており、真相は完全には明らかになっていない。
この記事では、発端から現在までの流れと、僕が感じたモヤモヤを整理してみた。
「チョコパイに歯!?」騒動の発端は?
2025年11月11日、山口県在住の男性が、ロッテのチョコパイを食べている最中に「ガリッ」と硬いものを噛んだとして、白っぽい異物の写真とともにXへ投稿。

これが実際に男性が投稿したポストから引用した画像である。
異物は“歯のように見える”として紹介され、その投稿は男性の言葉「拡散お願いします」とともに一気に拡散し、たちまち多くの人々の注目を集めた。
コメント欄には驚きや不安の声が相次ぎ、「本当に歯なのか」「こんなことが起こり得るのか」といった反応が広がっていった。
この時点で、情報をまとめていた経済系サイトのcokiや、Yahooニュースなどでも取り上げられ、話は大きく膨らんでいったのが発端。
ロッテ側の対応
ロッテ側は異物混入の指摘を受けて、対象商品のサンプルを回収し、独自調査を開始したと報じられている。
分析の結果については、ENCOUNTなど複数の媒体が「歯と推定される」との記述を確認。
一方でロッテは、製造工程において人間の歯が混入する可能性は極めて低いとして、原因の特定には時間がかかっていると説明している。
ロッテから送られてきたという報告書には「今回の様なご指摘をいただきまして関係者一同深く反省している次第でございます」「弊社製品をお買い求めいただきながらご不快な思いをお掛け致しましたこと、誠に申し訳なく、お詫び申し上げます」
引用元 ロッテの報告書
さらに、ロッテは今回の件によって不快な思いを与えたことを謝罪し、今後も調査を継続すると発表した。
投稿者の説明によれば、ロッテはすぐに問題の商品を回収し、チョコパイ本体とパッケージを分析に回したという。
投稿者によって投稿された内容によれば、ロッテの調査結果では、異物は「歯と推定される」と報告されたとされている。
ロッテのチョコパイは国内製造?
ロッテの当該チョコパイに関しては、製造が国内(埼玉県狭山市)であることが指摘されている。
ただし、ベトナム、インドなど国外で販売されているものについては、それぞれの国の製造工場で製造されている。
投稿者の奥歯に指摘が
一方で、SNSでは別の角度からの疑問も浮上していた。
投稿者本人が過去に「奥歯が割れた」「歯がぐらついている」といった内容の投稿をしていたことが指摘され、それが今回の異物の正体に関係しているのではないかという見方も生まれた。
投稿者側の透明性も問われている中で、男性側は一切答えておらずこの点について、批判がなされているのは、事実である。
投稿者はメディアに「乳歯」と答えた
一方、一連の騒動で投稿者は今回の異物混入に対するメディアの取材には「大きさや形状から見るに乳歯でした」と経緯を説明している。
なお、投稿者が投稿した当該ポストの中に添付されていたロッテからの報告書とされる書類の1部に、「乳」と言う文字が見えることから、報告書の中でも乳歯であることが示唆されているようである。
さらに、一部で触れられているように、投稿者の口腔状態が今回の騒動と関連している可能性があるという指摘もある。
確かにロッテの分析で「歯と推定」と示されていることは事実だが、製造工程でこれが起こり得ると判断するための決定的な根拠はまだ出ていない。
ロッテも「混入可能性は非常に低い」と説明しており、投稿者の過去の歯のトラブルが自己混入説を補強しているという声もある。
ただ、それでも「食べ物に歯が入っていた」という体験談が与える不安は簡単には消えない。食品は口に入れるものだからこそ、消費者が慎重になるのは当然だと思う。
仮の話だが “歯が入っていた” 投稿が事実じゃなかったとしたら、どうなるのか
今回の騒動、もし最終的に「実物なし・証拠なし・投稿削除」で、
そして企業側の調査でも製造過程での混入事実が確認されなかった―
そんな流れになった場合、どういう法的措置があり得るのかを、一般論として少しだけ整理してみたい。
まず企業側が検討するのは、大きく分けて 民事 と 刑事 の二つだ。
●民事のライン:損害賠償請求
SNSに「歯が入ってた」「会社は謝罪しろ」みたいな内容を投稿し、
それが拡散されてブランドイメージが傷ついた場合、
企業は投稿者に対して名誉毀損による損害賠償を求めることがある。
企業の信用は財産的価値があるから、これを損なう行為は民法上の不法行為の対象になるわけだ。
とはいえ、実際には「どこまでがデマだったのか」「故意か過失か」が問われる。
誤解であり、投稿者が瑕疵を認めて誠実に謝罪と撤回する姿勢を示していれば、
企業も訴訟までは踏み込まないケースが多い。あくまで冷静に淡々と進めるのが一般的だ。
●刑事のライン:偽計業務妨害
もうひとつは刑事である。
「虚偽の風評を流して企業の業務を混乱させた」と判断されると、
偽計業務妨害罪(刑法233条)の可能性が出てくる。
もちろん、これはハードルが高い。
「明確な虚偽」「業務に具体的支障」といった点を警察が判断する必要があるし、
企業だって刑事事件として扱うこと自体が、さらにメーカーの風評に与える影響を考えねばならず、一般論としては慎重にならざるをえないだろう。
ただ今回みたいに「拡散を促しながら本人が投稿を消す」「疑惑に答えない」といった
行動が加わると、
「これは本当に混入だったのか?」という疑問が強くなるのも無理はない。
●企業はどう動くか
あくまで一般論だが、企業が本当に怒っているときは、まず水面下でログ保存、法務と相談、
必要に応じてプラットフォームに投稿者情報の開示請求、という流れを取る。
表向きは「調査中」とだけ言って、静かに証拠を積み上げるのが常套だ。
事実でなかったと判明した場合でも、
企業が公に「虚偽でした」と発表するとは限らない。
あくまで外部への発信は慎重にするので、
一般の閲覧者からは「うやむや」に見えることが多い。
メーカーと投稿者の現時点(11月18日現在)の動き
ロッテ側
ロッテでは「工程中の混入の可能性は極めて低いと考えられ、この度は混入原因を特定できず、苦慮しております。」としている。
投稿者側
11月14日時点で、当該ポストを削除し、「あとはニュースに任せます」と謎のコメントを残している。
なお、当該投稿直後に指摘されていた「1年位前に歯医者に行って奥歯が真っ二つになってた事実」に関する投稿も削除された。
拡散してくれって言っておいてそれはないのでは?
今回の件も、もし歯の混入が本当なら重大な問題だし、「拡散してくれ!」と煽っておいてその後、当該投稿を消すのは悪手だと思う。
何か主張するなら、最後まで説明責任を果たすべきなんじゃないのか。
まとめ
異物の写真や分析結果を提示しながらも、後に投稿を削除した投稿者に説明の一貫性という姿勢に疑問が生じている。
一方でロッテも、現段階では「調査中」という枠を超えた説明をまだ出せておらず、原因不明という状況が続いている。
一番怖いのは 真偽不明のまま一人歩きする情報 だ。
企業にとっても消費者にとっても、不幸しかない。
もちろん、食品に加工されていない歯のようなものが混じっていたという事実そのものが怖いという声も多く、食品の安全性に対する不安は根強いままだ。
結局、この手の食べもの混入騒動は何がいちばん怖いか
食品は「安全であって当然」という前提の上で消費されているため、この種の出来事は消費者に強い動揺をもたらす。
また今後、この騒動がどう収束していくかを見守る上で重要だと感じるのは、ロッテがどの段階で最終的な調査結果を出すのか、そして第三者機関や公的機関が調査に関与するかどうかといった点にある。
また、投稿者が削除した理由や、異物の実物や追加の分析情報が今後明らかになるのかという点も、状況を理解するうえで欠かせないだろう。
この騒動をきっかけに、消費者が日頃どのように食品を扱うか、異物を発見した際にどう行動するかという意識にも変化が生まれるかもしれない。
僕としては、今の時点では真相はまだ霧の中にあると感じており、誰の歯なのか何も断定できない。


