昔な、山里の道端には「スピードか死か」いう物騒な標語の立て看板がよう立っとったんや。
でも最近めっきり見んようになってしもた。
この「スピードか死か」っちゅうのん、字面がもう絶妙に怖いねん。深夜、一人で山道走っとる時に、ぽつんと出くわしてみ? むっちゃ不気味やで。
妙なシュールさがクセになって、一部では「これって結局どっち選んでも死ぬんちゃうん!?」ってラジオとかでもネタにされとったんや。
まぁ、正確に書くなら「安全運転するか、スピード出して死ぬか」ってなるんやろうけど、そんなもん全然インパクトないし、おもんないわけや。結局、「スピードか死か」ってフレーズの破壊力が最強やったんやな。
…って、前置き長なってもうたけど、今回のネタは「首都高速トライアル」シリーズや!この映画、走り屋の話なんやけど、ワイ別にクルマに興味ないねん。
でもな、バブル時代特有のイケイケ感と、あの土屋圭市の名ゼリフ「俺と勝負したいならサーキット来いや!」にやられて、気づいたらシリーズ全部観とった(笑)
ちなみにシリーズは全5作(6作目については後述)。このシリーズ、当然ながら公道レースがメインなんやけど、敵っちゅうたら取締り当局なわけよ。せやのに、警察が登場するのはなんと1作目だけ!不思議やろ?
そういや「頭文字D」でも警察の存在は完全オミットされとったな。リアルな車文化を描くなら、取締る側もおらんと妙な異世界感が出てまうんよ。
さて、シリーズが進むにつれて、首都高バトルからサーキットバトルにシフトしていくわけやけど、問題の6作目がな……(続きは後でや)。
で、シリーズ3作目や。公道レースで事故起こして人を死なせた主人公がスランプに陥る。そんで長野の峠でGT-Rを走らせとると、突然の土屋圭市登場!(笑)
ほんで、主人公が「なんか助言くれへん?」的な顔してると、そこに暴走車がドーン!派手に横転!土屋、かけてたレイバン・ウェイファーラーをスッ……と外す!(笑)
主人公「京平、救急車や!」
京平「はい!」
ほんで、土屋のGT-Rに搭載されとる自動車電話で救急車呼ぼうとするんやけど……画面には無慈悲に「圏外」の文字(本作1991年制作)。主人公「つながらん!!」って絶叫。
すると土屋が「俺が行くぅ!けが人頼んだぞ!」っちゅうて、GT-Rでドリフトしながら峠を駆け降りる!合法(!?)ドリフト!めっちゃカッコええ……いや、なんで(笑)
ちなみに、当時の走り屋は峠の上と下の連絡と非常時のために免許資格不要の「パーソナル無線」を搭載しとったらしい。
せやけど、使うのはもっぱら「警察きとるで!」っちゅう情報共有のためやったとか。
さて、シリーズ4作目では主人公の弟が難病で余命わずか。弟「兄ちゃん、土屋圭市とGT-Rで走るとこ見たい」
兄貴、土屋に頼むも「そんなヒマないわ」的な反応。でも最終的にはGT-Rで走ってくれるんや。なお主人公、シルビアと親父の車を勝手に売っ払って真っ赤なGT-Rを購入。そのせいで親父に往復ビンタ食らうシーンが本作最大の見どころやな。
そして最終作「首都高速トライアルMAX」。この作品、国内発売中止。理由?「違法走行シーンが含まれているため」
えっ、ちょっと待てや、じゃあこれまでの作品にはなかったんかい!?(笑)