それが起きたのは、楽天市場に出店しているショップに低評価のレビューを書き込んだ直後だった。
その日は携帯ショップで待ち時間に暇を潰していた。スマホを手に取ると、先日注文した楽天市場のショップにレビューを送信したのさ。
このショップ、発送が遅いことで有名で、レビューには辛辣なコメントが並んでいた。俺も例外じゃない。10年近くそのショップを30回くらい利用してきたが、昔は普通だった発送スピードが、ここ3年ほどで一気に遅くなった。
だから、正直に書いた。それだけのことだった。
数分後、電話がかかってきた。番号は05055777003、見覚えのない番号だ。最初は迷ったが、出てみることにした。
すると、電話の向こうから現れたのは、意外な相手だった。
05055777003って一体どこの番号だ？
ショムニみたいな、ツンとした女の声が響く。
「楽天市場のカスタマーサービスを担当している者ですが…」
結論から言うと、電話の主は楽天市場のカスタマー担当者だと名乗った。まさかの展開だ。
その女性はこう言ってきた。
「このたびは楽天市場のショップでお買い物いただいたにもかかわらず、ご不快な思いをおかけして申し訳ございません。」
続けて、
「お客様からのお買い物に関して、聞き取り調査を行っております。」
「店から“遅れる”というメールは届きましたか？」
女性はこうした内容を問いかけてきた。これが聞き取り調査だと言うわけだ。
その後、妙に畏まったタイトルのメールが楽天から届いた。こんな形式のメールは普段見たことがなかったから、詐欺メールかと警戒して読んでみたが、どうやら低評価のレビューに対する謝罪のようだった。
実は、この楽天の「サービス」、2016年2月頃から始まったらしい。ネットでもすでに大きな反響を呼んでおり、困惑している人が多いという。
その実態は、低評価をつけたユーザーに電話をかけて、評価の理由を聞き出すというものだ。
【炎上】楽天「低評価をつけた人には2分以内に電話して聞き取り調査を行うサービスを始めた」
楽天の三木谷浩史社長が新たに始めたサービスに利用者から苦情の声が殺到している。新サービスとは、レビューで低評価をつけた人にはすぐに電話をかけ、どうして評価が低かったのかと質問し、苦情を聞き取るものだ。 驚くべきことにこの迷惑電話サービスはすでに始まっており、電話番号情報が調べられる「電話帳ナビ」では楽天の電話番号に批判が相次いでいる。
上の記事では、このサービスが炎上していると決めつけて書かれているが、実際、筆者もこの電話に何か本当の意味があるのか疑問に感じている。
低評価をつける利用者を萎縮させるために、この手の電話をかけているのではないかという、少し穿った見方もしている。
ただ、記事によれば、単に苦情を聞き取るだけでは終わらないという。
「お詫び」として、500～2000ポイントの楽天スーパーポイントがもらえるというから、さらに混乱を招いている。
その上、「あまりにも悪い評価がついた店舗については、一時的に閉店させたり、悪質な場合は退店させたりする」という話まであるらしい。
何をもって「悪質」と判断されるのかよくわからないが、こうした対応が本当に必要なのだろうか。正直、筆者は「発送が遅い」ことを改善してほしいだけで、ポイントもいらないし、店舗が閉店されると困る。
結局、今回のケースでは筆者は1ポイントももらわなかった。そして、再度その同じショップを利用した際も遅かったため、再び低評価のレビューを書き込んだ。しかし、やはり予想通り電話がかかってきた。
一体、わざわざレビューに不満を述べたにもかかわらず、電話をかけてきて聞き取り調査を行うことに、どんな意味があるのだろう？ 店側を擁護するための目的なのだろうかと疑問が湧くばかりだ。
どうして評価が低かったのか
言い方を変えれば、これは恫喝とも取れる。筆者はこの電話による「聞き取り調査」に意味を見いだせず、今後は協力しないつもりだ。
だから、今後同じ番号から電話がかかってきても、絶対に出ない。自分勝手に一方的に電話をかけてきて、まるで事情聴取をしているかのような振る舞いが信じられない。
発送を遅らせたり、変な梱包をしたり、実際には欠品している商品を購入可能状態で並べることを、楽天がしっかりと指導すればいいのだ。そうすれば、顧客満足度の高いAmazonプライムと肩を並べることだってできるはずだ。
なお、電話による聞き取り調査だが、最近楽天24への低評価レビューをつけた後、電話は一切かかってこなかった。現在はもうこの調査は行われていない可能性もある。
