『リトルコップ』回顧録
作者:小林たつよし/原案:レッドカンパニー/連載開始:1988年~(月刊コロコロコミック)
1988年から「月刊コロコロコミック」で連載された刑事アクション漫画が『リトルコップ』である。
主人公は矢車弾(やぐるま・だん)。一見すると完全に少年だが、作中では18歳以上と明言されている。身長は155センチ。小柄な体格ながら、アメリカ帰りの帰国子女であり、日本の警察官採用試験を突破して警視庁に勤務している正式な警察官である(ちなみに、実際の採用基準では男子は身長160センチ程度が目安とされていたはずだが、そこは漫画的解釈といったところだろう)。階級は明示されていない。
矢車の相棒は、ブルこと荒波吾作。さらに物語が進むと仲間が増え、最終的にはわずか4人の特殊部隊が、まるでナチスとオウム真理教を足して2で割ったような過激な軍事組織と対峙し、これを壊滅させるという壮絶な展開を見せた。
劇中では、アメリカ人刑事がデザートイーグルを使用していたような記憶もある。
当時、筆者が子供としてリアルタイムで読んでいた際には、犯人の脳天を撃ち抜くような描写があった記憶がある。しかし、単行本化にあたっては修正が加えられており、実際には肩を撃ち抜く描写に差し替えられている。その他にも、単行本では原作掲載時からの変更点がある可能性が高い。
以下に掲載されていたエピソードの一部を列挙する:
収録エピソードより一部抜粋:
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新ヒーロー“矢車弾”登場
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くたばれ爆弾魔!!
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新しい仲間PART1/PART2
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ガキ大将コップ
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大解剖・矢車弾大研究
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リトルコップ・ガンファイル
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狙撃者を倒せ!!/闇の魔手
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三人の凶敵/恐るべき催眠術
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決死のデス・マッチ
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好敵手L.L登場/逆襲のL.L
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影の軍隊VS四人の刑事
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決死の護送500キロ!
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激走!! コスモスポーツ
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暴走!! 特殊機甲兵“オリオン”
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決死の雪山脱出!!
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グッバイ弾! 警察を守れ!!
現在、この作品はAmazon Kindleで一部巻が無料公開されており、懐かしい読者にはありがたい存在となっている。
ところで、劇中に登場する矢車弾の銃器に注目すると、彼が使用していたカスタムM93Rは、映画『ロボコップ』(1985年公開)に登場したオート9を想起させるデザインである。『リトルコップ』の連載開始は1988年であり、インスパイアされた可能性は十分に考えられる。
1988年当時、エアガン市場はまだ成熟しておらず、M93RをモデルアップしていたのはMGCだけだった。これは当時としては画期的な製品であり、名作との呼び声が高い。余談だが、漫画『タッチ』では和也(?)が飼い犬パンチにこの銃を使っていたシーンがある。明らかに虐待描写であり、今なら問題視されるだろう。
さらに、アオシマ(青島文化教材社)からはリトルコップモデルの玩具銃も発売された。これはコッキング式ではなく、引き金をゆっくり引いていくとスライドが後退し、発射されるという「ストライカー方式」を採用していた。当時の子供向け製品としては、なかなかユニークな構造であった。パワーは10歳以上対象であり、安全設計となっていた。
また、ツクダオリジナルからは「エアーウオーターガン」シリーズとして電動式水鉄砲のM93Rモデルが販売されていた。筆者が当時購入したのはこの水鉄砲モデルだけである。
筆者がエアソフトガン(エアガン)による撃ち合いを初めて体験したのは小学生時代である。その遊びは非常に楽しく、エアガンを通じて多くの友人と交流を深めることができた。ただし、当時の自分たちは作戦立案や陣地構築といった戦略面にはまったく思い至らず、ただ単純に撃ち合いを楽しんでいたに過ぎなかった。
落ちがない話でした。