SUREFIRE 純正電池『SF-123A』とは?

SUREFIREは、キセノンバルブの高価さもさることながら、使用する電池もまた高価である。

スコーピオンもSUREFIREも、使用電池はリチウム電池のCR123Aだ。単三電池が民生ライトの標準であるなか、CR123Aを要求するこれらのライトは、コストパフォーマンスにおいて著しく不利と言わざるを得ない。しかもこの電池、近所のコンビニエンスストアではまず手に入らない。

考えれば当然の話である。ユーザーは警察官や軍人だ。彼らは装備課や需品部隊を通じて事前に大量支給を受けているはずであり、電池が切れても、車両のグローブボックスを開ければストックがいくらでもある。わざわざコンビニやウォルマートへ走る必要などない。

CR123A自体は優れた電池であり、10年放置しても電圧低下や液漏れが起こらない。しかし価格は高い。

たとえば、中国製の18本入りパックなど、製造国やメーカーを問わなければ安価に手に入る。

だが、SUREFIRE社が推奨するのは自社ブランドの「SF-123A」であることを忘れてはならない。

SF-123AはSUREFIREが自社製品専用に開発した大容量リチウム電池であり、衝撃によるショートを防ぐ「ショックプルーフ構造」を備えている。世界中の警察特殊部隊でも採用されている高性能モデルだ。

もっとも、国内販売価格を見る限り、SF-123Aは富士通やパナソニックといった一流メーカー品と比べて特別高額というわけではない。また、専門店「アカリセンター」によれば、SF-123Aが一般的なCR123Aと比べて性能面で際立って優れているとも感じられないとのことだ。

それでも、SUREFIRE社の生涯保証を無償で受ける条件は、SF-123Aを使用して正常な状態で使っていた場合に限られる。この点は注意が必要である。

もし中国製の粗悪な123Aを使用し、液漏れによってスイッチ部分まで汚損させた場合、無償修理は受けられず、有償修理となる。

なお、SUREFIRE社副社長によれば、パナソニック製やデュラセル製の123Aについては、SF-123Aと同等の品質を持つとして公式に認められている。

シュアファイアバッテリーはアメリカ製で、発火を防ぐ安全機能を備えています。したがって、シュアファイア製バッテリーの使用を推奨します。しかし、パナソニックおよびデュラセル製123Aリチウム電池についても、同等の品質とみなしております。
─典拠元:リスクコントロール(https://item.rakuten.co.jp/risk/669000/)

つまり、並行輸入品であり、もとから生涯保証対象外の製品であれば、国内メーカー製の一般的な123Aを使用する選択も合理的である。民生用途であれば、性能上の問題はない。それは、SUREFIRE社のマーケティング部副社長自らが認めている。

もしパナソニック製電池を使って壊れ、無償修理が受けられなくなったとしても、文句は副社長に言うべきだろう。なお、電池の液漏れによるトラブルは、安価な中国製電池さえ避ければ、まず起こることはない。