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手磨きからの完全移行 ― 電動歯ブラシの実体験と効果とは?
近年、筆者は長年続けてきた手磨きをやめ、電動歯ブラシへの完全移行を決断しました。そのきっかけは、ある歯科医院での診察でした。
歯磨きへの誤解、そして電動歯ブラシとの出会い
ある日、筆者は定期検診のため歯科医院を訪れました。診察中、歯科医から思いがけない指摘を受けます。
「甘いものを食べたら、必ず磨いてください。」
当然、食後には毎回きちんと磨いていたつもりだったので驚きました。しかし、磨いているだけでは不十分で、「磨き方」に問題があると知ったのです。
そこで思い切って歯科医に尋ねました。
「先生はどんな歯ブラシを使っているんですか?」
すると、あっさりとこう答えられました。
「僕は完全に電動歯ブラシですね。」
もっと早く言ってほしかった――という思いもありつつ、確かに最近の歯科医院では電動歯ブラシを積極的に販売しているところもあり、業界とのつながりも感じられます。それでも、現役の歯科医が自身のケアに使っているという事実には説得力がありました。
実際に購入して使用してみた
筆者が選んだのは、比較的オーソドックスなタイプの電動歯ブラシです。替えブラシが1本付属し、充電は無接点通電方式。専用の台座に立てておくだけで充電が可能です。
この台座は水回りでの使用を前提に設計されており、金属接点は使われておらずすべて樹脂製です。近年ではスマートフォンのワイヤレス充電が一般化していますが、筆者のスマートフォンはまだUSB充電式だったため、この構造には少々驚かされました。
歯垢除去能力と歯石への効果
最も気になるのは、歯垢や食べかすの除去能力です。これについては、手磨きよりも明らかに除去力が高いと感じました。ただし、長期間こびりついた「歯石」については、電動ブラシでも除去は困難です。これは歯科での定期的なスケーリングが不可欠です。
価格の差は何を意味するか?
現在、街のドラッグストアでは1,000円前後の安価な電動歯ブラシも多く見かけますが、一方で家電量販店では2万円を超えるハイエンドモデルも販売されています。その価格差は10倍以上にのぼります。
この価格差の背景には、駆動方式の違いがあります。高価なモデルは超音波振動を採用しており、静かでありながら高出力。一方、安価なモデルは小型モーター駆動のため、動作音が大きく、深夜に使用すると「ギュアアアア!」というミニ四駆のような騒音が気になることもあります。
また、筆者が購入したモデルはニカド電池を使用しており、最新のリチウム電池に比べるとやや持ちは劣りますが、8時間の充電で朝晩の計4分間の使用を1週間継続できるため、日常使用には十分実用的です。
使い心地
歯科医の助言をきっかけに電動歯ブラシを導入した筆者ですが、その結果、磨き残しの軽減や口腔内の清潔感の向上といった効果を日々実感しています。特に歯磨きにかける時間や労力が大幅に減り、「もっと早く取り入れていれば良かった」と感じるほどです。
電動歯ブラシは価格帯も性能も幅広いため、予算やライフスタイルに合った一台を選ぶことで、オーラルケアの質は大きく変わると言えるでしょう。
電動歯ブラシ使用時に守るべき基本ルール
~「歯と歯茎を守るためのお約束」~
電動歯ブラシの導入により、日々のオーラルケアが格段に効率化される一方で、正しい使用方法を守らなければ、かえって歯や歯茎にダメージを与える可能性もあります。ここでは、電動歯ブラシ使用時に必ず守っていただきたいポイントを整理いたします。
1. 歯磨き粉は「研磨剤なし」を選ぶこと
最も重要なポイントは、研磨剤が含まれていない歯磨き粉を使用することです。
電動歯ブラシは手磨きに比べて強い研磨力を持っており、そこにさらに研磨剤を加えると、歯の表面に過剰な摩耗を引き起こす可能性があります。これは業界でも共通の認識であり、多くの歯科医も「研磨剤入り歯磨き粉の併用は避けるべき」と指導しています。
2025年現在、筆者は合成歯磨き粉類をやめて、「重曹(食用グレード)」でのうがいを重点的にした後に、歯磨きをする手法に変えました。
アルカリ性質である重曹と、歯の表面のタンパク汚れ落とし効果は「磨かなくても」相性抜群です。
むしろ、重曹は研磨効果があるので、重曹と電動歯ブラシの併用は慎重にお願いします。
コップ一杯の水道水に重曹を中スプーンで山盛り一杯溶かして、口に含み、2分ほどブクブクうがいをしたあと吐き出し、一度口を水道水で濯いでから、今度は水道水を口に少し含んで、水だけでブラッシングすると良いです。
最初の「重曹ブクブクうがい」だけでも、すごく汚れが落ちてツルツルになっていることがわかるはずです。指で歯を触ってみてください。
重曹はそれ自体が安全ですが、念のため、お料理に使う「食用グレード」を選んでください。
2. 1回の使用時間は「2分間まで」
もう一つの大切なルールは、1回の使用時間は2分間以内にとどめることです。
これは米国の歯科専門機関が推奨している標準的な時間であり、長時間磨いたからといって効果が上がるわけではありません。むしろ、磨きすぎることで歯茎に不要なダメージを与えるリスクがあります。
歯そのもの、特にエナメル質は非常に硬く、物理的な摩耗には強いため、10分間磨いたとしてもすぐに傷つくようなことはほとんどありません。しかしながら、歯茎は非常に繊細であり、過度な振動や圧力を受け続けると、歯茎の後退や知覚過敏の原因になることがあります。
3. 初めて使用する場合は注意深く
電動歯ブラシを初めて使用される方にとっては、最初の数回で歯茎から出血することも珍しくありません。これは歯茎がまだ振動や圧力に慣れていないためで、過度に心配する必要はありませんが、痛みや不快感が続くようであれば、一時的に使用を控えたり、使用時間をさらに短くするなどの工夫が必要です。
電動歯ブラシは、正しく使えば非常に有効なデンタルケアツールです。だからこそ、「研磨剤なし」「2分以内」「丁寧な使い始め」という三つの基本をしっかり守り、日々のオーラルケアに役立てていただければと思います。
電動歯ブラシを使用した感想と総評
電動歯ブラシを購入し、一定期間使用してみた結果として申し上げますと、「購入して本当に良かった」と感じております。
その効果の大きさについて例えるなら、「人生を変えるほどの買い物」と言っても過言ではなく、筆者個人としては“人生変わっちゃう買い物かもね”大賞の上位に位置づけられる製品であると感じました。
芸能人の間では「歯が命」とよく言われますが、我々一般人にとっても、口腔内の健康は非常に重要であり、一定のコストをかけてでもデンタルケアを行う価値があると実感いたしました。特に、できるだけ若いうちから意識的にケアを始めることが望ましいと考えます。
加えて、歯と歯茎の間、いわゆる歯周ポケットにたまる汚れの除去には、ゴム製の歯間ブラシの使用が効果的です。筆者は、日頃より小林製薬のゴム歯間ブラシを使用しております。特に、斜めに生えている親知らずのさらに奥、いわば“下水道”のような場所にたまる食べかすの除去には、このゴムブラシで往復させるようにして使用すると、効果的に掻き出すことができます。
また、口臭に関しては、市販されているデジタルチェッカーを活用することで、数値的に自己チェックを行うことも可能です。口臭が気になる方は、まず数値を測定してみることをおすすめいたします。
さらに、口臭予防および口腔環境の維持のためには、定期的な歯科受診による歯石除去が不可欠です。特に、抜歯の判断がされるような親知らずについては、症状や歯科医師の見解をもとに、早期に処置することも選択肢として考えるべきでしょう。
口腔ケアはすべての人にとって重要ですが、特に複数の女性とお付き合いされるような交友関係を持つ男性にとっては、エチケットとしても、積極的に口腔環境の改善に努める意義があると言えるのではないでしょうか。